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Mさん夫婦

■富士山が見える所って意外に少ないんです

美しい富士山の姿に魅せられて、いつの頃からか富士山の見える所に住みたいという気持ちが高まっていたというMさん夫妻。リタイアを数年後に控えた頃からお二人で、別荘地を探しはじめました。


「ビュースポットといわれる富士山麓の別荘地に何度も足を運んで、いろいろ探しましたよ。でも、これが意外に大変でした」とおっしゃいます。というのも、別荘地の樹木が成長しすぎて、富士山の眺望を邪魔してしまい、そこに別荘を建てても見えないのです。

 富士山にこだわったMさん夫婦は、その眺望を生かせるよう別荘の設計にもこだわりました。「自宅を設計してもらった設計士さんに頼みました。お互い気心がわかっていますから。リビングからだけでなく、いろいろな部屋から富士山が見えるように設計してもらいました」とのこと。

  Mさんの別荘は、富士山に対して少し斜めに向いているのですが、あえて角度を持たせることで、お風呂からも洗面室からも富士が見えるのです。ベランダの手すりも木製にすると部屋から富士山が見えにくくなると、細くて透明感のあるステンレス製にするなど、細かい気配りで眺望が楽しめる工夫がされています。

■ここに来たら散歩が楽しみ。植物と話をしているんです

別荘を建ててもう10年。建てた当時は、お二人とも仕事を持っていましたが、定年を迎えた今では埼玉の自宅と別荘を行ったりきたり。月のうち10日ほどを富士山麓で過ごされています。

「テニスやゴルフはしませんが、ここに来るともっぱら散歩が楽しみです。毎日1時間から2時間、摘み草をしながら歩くんです」とご主人。富士桜、フジアザミをはじめ、白い花が可憐なヤマシャクヤクなどこの富士山麓でしか見かけない植物を発見してはカメラに収めます。まるで植物と会話をしているような感じになるのだそうです。

また、富士山麓に来るまでは“歳時記”というものにほとんど関心がありませんでしたが、ここの四季に触れることで、昔の人はこんな風にして季節を感じていたのか、と気づかされることがよくあると言います。「例えば、ホトトギスが今日初めて啼いたとか。啼き方がまだ上手くないねとか。都会では気づきもしなかったことが、ここでは重要なことになるんです」。

■手作りの料理は、趣ある囲炉裏でいただくとさらにおいしい

一方、奥様は手作り料理の名人です。散歩の途中で摘んだ木いちごやグミ、あけびなどをおいしいジャムに。庭先に芽を出したヨモギ、フキノトウなどあらゆる山菜が食材になります。
「料理は昔から好き、ここに来たら、旬を味わわなくちゃね!」と言います。

奥様の手作り料理をいただくのが、趣のある囲炉裏です。「友達が来ると、みんなこの囲炉裏のまわりに集まって、食事をしたり、話し込んだり……。火を囲むとみんな表情がやさしくなります」。



■ふたりで綴る富士山麓の自然についての同人誌づくりが楽しみ

またお二人には共通の趣味があります。それは同人誌『ドクター・ビレッジの四季』の製作。富士山麓の自然や生活に関係したことだけを書き綴った小冊子で、奥様が短歌や俳句を、ご主人が詩や日記を担当。年に4回発行、もう6年間も続けられています。

「こんなに長く続くとは思いませんでしたが、今では楽しみにしてくれている人もいるので、がんばらないとね」とご主人。この同人誌は「富士ヶ嶺高原別荘地の富士ドクタービレッジ」の管理事務所に置かれています。ご主人の書かれた日記を読めば、この富士山麓の気候がどんな気温なのか、どんなふうに過ごせるのかイメージしやすいですよ。

2004年 17号の夏の日記を一部引用させていただきました。
8月11日(水)
昨日の夕方、ホトトギスの声を一声聞いて、昨年は8月10日が聞き納めだったので、あ、最後のホトトギスの鳴き声かと思ったのだけれど、今朝もホトトギスは鳴いた。(中略)早朝、昨日約束したからと、渡辺さんが畑で取れた胡瓜を届けてくださる。今朝は朝から曇り。ススキの穂もあちこちに立ち上がって目につくようになった。『ドクター・ビレッジの四季』より

どことなく国木田独歩の『武蔵野』のような雰囲気で、富士山麓の自然の様子が綴られています。

■大切なこと

当初は、富士山が見えることにこだわった別荘ですが、別荘半分、自宅半分で過ごすMさん夫妻にとって、今では富士山は空気のような存在。富士山が見えていても、見えていなくても富士山に見守られているという安心感が大きな支えになっているようです。

またリタイア後の生活で、夫婦お互いに共通の趣味があることで、友達のようなフレッシュな関係が生まれるということにも気づかされました。何のために別荘を持つか、その目的をはっきり持つことが大切ということでしょう。